髙橋治 新潮文庫
不倫の恋の話である。風の盆の祭りを描きながら美しい仕上がりの小説である。この内容そのものがが石川さゆりの歌にある。
若いころに出会い、年を経た今、物語は動き出す。死をかけて。
ヨハンナ・スピリ 講談社
少年少女世界文学館の16に入っている。他の本だと『アルプスの少女ハイジ』などの題名で出ているものもある。
1800年代末の作品ながら古さを感じさせない。キリスト教が色濃く影を落としていて、それが貧富の差につながったり、人生観につながったりしているが、そういう倫理観は仏教にもあるだろう。そういう信仰を背景にして、アルプスという自然のなかで生き生きと生きる少女が美しい。
有吉佐和子 文春文庫
演劇界の裏話などが書かれており、事件が起きる。面白かった。