佐藤さんが推薦した小説12編が載っている。類書が文庫本などで出ているが、この12編のよさは、あまり代表的な本でないことだろう。有名な著者であっても、ああこんなことを書いていたんだ、と知れるところが面白い。
絵本を子どもに読み聞かせすることはあるが、中学生や高校生になると興味をもって小説を読むことが少なくなる。
教科書を作る人たちは、そうした年代に読んでほしい小説を選んでいるのだろうが、教科書となるとなかなか読まない。逆に、その年代から外れると、あの年代に読んでおいたらよかった、と思い起こす。
つまり、そういう本だ。育ち盛りにこんな本を読むといいんだな、と今頃になって知ることになるが、知識というのは遅くなっても問題はない。