木ノ内博道の雑読ノート

読んだ本の備忘録です。

『恍惚の人』

有吉佐和子 新潮文庫

昭和57年の発行である。老人問題の先駆といえる。

祖母が自宅で亡くなっていて、その頃から祖父の様子がおかしい。

胃腸の弱かったはずがよく食べる。徘徊をする。徐々に体が弱っていくが、怒りんぼだった祖父が笑うようになる。人間が死に向かっていく様をよく描いている。