木ノ内博道の雑読ノート

読んだ本の備忘録です。

2022-03-01から1ヶ月間の記事一覧

『わたしが鳥になる日』

サンディ・スタークマギニス 小学館 アメリカ・カルフォルニア州の里親に預けられた子どもの話。 自分は鳥で、空が飛べると思っている。ある里親との出会いが新しい認識をもたらす。

『コーヒーが冷めないうちに』

川口俊和 サンマーク出版 海外で読まれているというので読んでみた。 うん、なかなかよくできたストーリーだと思った。サンマークの本は初めて読んだ。

『苦役列車』

西村賢太 新潮文庫 同題名の小説以外に『落ちぶれて袖に涙のふりかかる』が収録されている。 これで三冊目。無頼とも言えない、不思議な味の小説だが、気づいてみると、リズム感のある名文である。中卒で悲惨な生活を描いているが、文章はしっかりしている。

『芝公園六角堂跡』

西村賢太 文春文庫 タイトルになったもの以外に「終われなかった夜の彼方で」「深更の巡礼」「十二月に泣く」が収録されている。 没後弟子の西村賢太の在り方というのだろうか。引きづっているものの大きさを感じてしまう。

『どうで死ぬ身の一踊り』

西村賢太 角川文庫 読む気になったのはこの作家が急に亡くなったことによる。西村さんの死を惜しむ内容の記事が多かった。この文庫には文庫の題になった小説のほかに「墓前生活」「一夜」が納められている。 読後感としては、十分味わえたといっていい。同じ…