木ノ内博道の雑読ノート

読んだ本の備忘録です。

2021-08-01から1ヶ月間の記事一覧

『ノーラ・ウェブスター』

コルム・トビーン著、新潮クレスト・ブックス 夫を亡くした妻が3年をかけ立ち直っていく物語。コルム・トビーンはアイルランドの作家。 子どもたちの養育、金銭問題、働きに出る、趣味上の問題などさまざまな出来事のなかでしっかりと生きていく女性が描かれ…

『菓子屋横丁月光荘 歌う家』

ほしおさなえ 角川春樹事務所 ハルキ文庫 菓子屋横丁シリーズが出ている。これはその1冊目。古い家と話の出来る主人公。川越が舞台。

『心(うら)淋し川』

西條奈加 集英社 江戸の片隅、どぶ川沿いに懸命に生きる人々の悲しみや喜び。8編の短編で楽しめる。

『恩寵』

ほしおさなえ 角川書店 会社を辞めて東京近郊の古い建物に住む。そこでの生活となるとだいたいイメージできる。ところが予想を超えて、登場人物の多いこと。現在だけでなく、過去の出来事ともいろいろかかわる。結果として、いい小説だった。読んでよかった。

『アテルイを継ぐ男 水壁』

髙橋克彦 PHP研究所 蝦夷と中央政権の軋轢は高橋克彦のテーマでもあって、これまでに『火怨』『炎立つ』などを読んできた。『水壁』はこうしたテーマの本の最後にあたるらしい。元慶の乱をもとにしているらしい。

『彼岸花が咲く島』

李琴峰 文芸春秋 最新の芥川賞受賞作品。与那国がモデルのような島。女語が使われていて、女がいろいろなことを仕切っている。不思議な味の小説で、台湾の女性が書いた。