木ノ内博道の雑読ノート

読んだ本の備忘録です。

2023-07-01から1ヶ月間の記事一覧

『銀漢の賦』

葉室麟 文春文庫 時代小説はあまり読む方ではないが、続けて2冊読んでしまった。 藤沢周平の正当な後継者と表紙にある。先に読んだ『高瀬庄左衛門御留書』の砂原浩太郎は葉室麟の時代小説の後継者ではないかと思っていたから、読む気になった。 3人の幼馴染…

『高瀬庄左衛門御留書』

砂原浩太郎 講談社時代小説文庫 江戸時代のある藩で郡方をする男50歳の物語。妻に先立たれ、息子も事故で亡くす。残された息子の妻と手慰みに絵をかきながら暮らすが、藩の政争に巻き込まれていく。しかし、自分の生き方を堅持していく姿が美しいと言える。 …

『金木犀とメテオラ』

安檀美緒 集英社文庫 『ラブカは静かに弓を持つ』を読んで、同じ著者の本を読んでみたくなった。 この本は、北海道に新設された中高一貫校に進学した生徒たちの話。 とくに主人公二人は東大入学も可能な学力。 ピアノの趣味、絵画の趣味、学校のイベント。成…

『春の窓 安房直子ファンタジー』

安房直子 講談社文庫 安房さんの書いたものを初めて読んだが、多くのファンタジーを書いている。 この本にも「春の窓」など12編が納められている。なんと言うことはない、こまごまのファンタジーである。動物なども登場するが人の言葉を話す。 こういう書き…

『ラブカは静かに弓を持つ』

安檀美緒 集英社 上司の命令で音楽教室に潜入調査。チェロの講師との出会い。生徒仲間との交流。 信頼がテーマかなと思ってしまう。 私も尺八を習って、かれこれ10数年やめているが、またやろうかな、と思い始めている。この小説のように出会いは作らなくて…