木ノ内博道の雑読ノート

読んだ本の備忘録です。

2023-02-01から1ヶ月間の記事一覧

『北のはやり歌』

赤坂憲雄 筑摩書房 筑摩選書 実は前にも読んだような記憶がある。というのも、東北について書かれたものは好きだから。そしてはやり歌のことなら大歓迎。 戦後の流行歌のスタートと田舎と都会。とくに東北から東京に出ていく人、残される人の想いは歌として…

『トンネルの森』

角野栄子 角川書店 第二次世界大戦なかで暮らす少女が主人公。小4の女の子で、筆者の少女時代と思われる。母に先立たれ、他家で暮らす。疎開をしてからの新生活もリアルに描かれている。

『影踏み』

横山秀夫 祥伝社 死んだ人の面影を見るために、影を凝視して空を見る。そういうのが影踏みだった。 この小説は双子の弟の存在と共に盗みなどアウトローの働きをする。

『雲』

エリック・マコーマック 東京創元社 男性の生い立ちが語られる。 出張先のメキシコで、突然の雨を逃れて入った古書店。そこで見つけた1冊は、黒曜石雲という謎の雲にまつわる話。青春を過ごしたスコットランドでの話。 幻想小説、ミステリ、ゴシック小説的で…

『円周率を計算した男』

鳴海風 新人物往来社 江戸中期の和算の世界を描く6篇。歴史文学賞を受賞している。 しかし、話題として和算にとらわれた男たちの、どちらかというと恋愛模様を描いたもののようにしか感じられなかった。もう少し和算の世界を描いてほしかったように思う。