木ノ内博道の雑読ノート

読んだ本の備忘録です。

2022-09-01から1ヶ月間の記事一覧

『霜天の虹』

北原耕也 本の泉社 七戸、満州。国と民族を超えた物語。 いい本だった。 父殺し。しかし展開は意外の方向にいく。

『人間の幸福』

宮本輝 幻冬舎 一人の女性が撲殺される。犯人をめぐるマンション住まいの人々の人間模様。 よく考えられて書いてあるが、感銘を受けるような内容ではなかった。

『ひと夜の月』

石神聰 東洋出版株式会社 亡くなった妻に会う旅についての物語である。それも旅に出た先は霊界ともいえる所。さまざまな出会いのなかで、妻に出会うだけではない物語が始まる。

『百花』

河村元気 文春文庫 妻が妊娠して、一方母親は記憶を失っていく。 単身で子どもを産み、育ててくれた母親を思い出しながら。母親は施設にはいる。子どもが生まれる。記憶を失っていくのはどういうことなんだろう、そのテーマに向き合っていく小説。

『野いばら』

梶村啓二 日本経済新聞出版社 最後まで読んでも既観感が残る。以前に読んだ感じがするのだ。 しかしストーリーさえ記憶にはなく、新しい書物として読むことができた。 文章がよく、寡作ではもったいない気がする。 江戸末期、イギリスの男性がやって来、日本…

『真夜中の子供』

辻仁成 河出書房新社 福岡、中洲で生まれ育った無戸籍少年の物語だ。 巨大な歓楽街で、大人たちはいるが、子どもはいないといっていい。 そうしたところで暮らし、さまざまな体験をしていく。 児相も出てくるが、そんなには出てこない。 ある警察官が助けよ…