木ノ内博道の雑読ノート

読んだ本の備忘録です。

『野いばら』

梶村啓二 日本経済新聞出版社

最後まで読んでも既観感が残る。以前に読んだ感じがするのだ。

しかしストーリーさえ記憶にはなく、新しい書物として読むことができた。

文章がよく、寡作ではもったいない気がする。

江戸末期、イギリスの男性がやって来、日本人女性との交流が描かれている。

美しく終わるのだが、もっと違った終わり方があるのではないかと思ってしまう。

「わたしもにございます」と言う女性の言葉がいい。