木ノ内博道の雑読ノート

読んだ本の備忘録です。

『惑星の岸辺』

梶村啓二 講談社

『野いばら』の読後感がよかったので、同じ作家の『惑星の岸辺』を読んでみた。この作家ならではの文章が素晴らしい。

しかしSF仕立てのようなストーリーが邪魔をして、『野いばら』のように気持ちが引き込まれていくことはなかった。

約60年の低温睡眠装置で、地球に帰ってきた者の記憶のリハビリの物語。浦島太郎風な題材だが、背伸びしすぎな感じが残念。

期待しすぎだったのかも知れない。