木ノ内博道の雑読ノート

読んだ本の備忘録です。

『使者と果実』

梶村啓二 日本経済新聞出版社

『野いばら』がよかった。で、次に書かれた『使者と果実』を読んだ。よいできの小説を読んだという実感がこみあげている。

満州でスタートして、ドイツに行き、ブエノスアイレスに。それが出会ったおじいさんの語りとなって小説が紡がれる。

『野いばら』同様、恋愛の話である。時代に翻弄されながら、小説が進んでいく。