木ノ内博道の雑読ノート

読んだ本の備忘録です。

2022-05-01から1ヶ月間の記事一覧

『かか』

宇佐見りん 河出文庫 語り手の女の子は19歳。弟への語りではあるが母の使っていた幼児語で話す。 母と一体になった感情が文体にマッチしている。 『推し、燃ゆ』が売れているが、『かか』は宇佐見りんの処女作だという。

『青が散る』

宮本輝 文芸春秋 大学生のテニスに明け暮れる日常を描いたもの。 友人との出会いや恋愛など、生き生きと描かれている。 いい本と出会ったと思っている。

『峠うどん物語』上下

重松清 講談社 長寿庵という店名を峠うどんと改名する。近所に斎場ができて、客がそこから来る人ばかりになったからだ。 話は、死にまつわるものが多くなるのは当然のことだ。上に5話、下にも5話あるその話がいい。