木ノ内博道の雑読ノート

読んだ本の備忘録です。

2024-02-01から1ヶ月間の記事一覧

『よろこびの歌』

宮下奈都 実業之日本社 久しぶりに宮下の小説を読んだ。文章が読みやすく内容もいい。 声楽を志す女の子が音大付属高校の受験に失敗するところから物語は始まる。新設高校の普通科に入学して、挫折感を味わう。そこからの変化が主人公の女の子の自立へとつな…

『しろがねの葉』

千早茜 新潮社 従来と小説のトーンが異なりびっくり。戦国末期の石見銀山が舞台。少女が銀山で働きながら生活の場としていく。欲望と死の影響を受けて生き抜いていく。ずっと候補だったが、この作品で直木賞受賞。

『青い壺』

有吉佐和子 文春文庫 無名の陶芸家が焼いた青磁の壺がいろいろな人のところを巡る話。 そして長旅をした壺は陶芸家のところにもどってくる。

『へんろ宿』

藤原緋沙子 新潮文庫 江戸回向院前の安宿に集うわけありの旅人たち。旅人からの訳ありの相談にのりながら元気をもらいながら帰っていく。こういう宿があったら、と思う。

『男ともだち』

千早茜 文芸春秋 これも直木賞候補だという。 イラストレーターの女性が主人公。恋人でもない男友達やつきあう男たち、同棲から別れていく男。さまざまな人間関係が描かれる。もちろん同性の友達についても。 前に読んだ同じ作者の『あとかた』にはあまりい…

『あとかた』

千早茜 新潮社 直木賞候補作 島清恋愛文学賞受賞作というのでどんな小説かと思い読んでみた。 若い男と女の自由な交流。セックスありセックスなし。死もある。自由ではあるがそれを自由というのか。よく分からない人間の交流。若い時というのはこうだろうな…