木ノ内博道の雑読ノート

読んだ本の備忘録です。

2021-01-01から1ヶ月間の記事一覧

『閉鎖病棟』

帚木蓬生 新潮社 閉鎖病棟とはいえ、かなりオープンな病棟。そこでの人間関係を描く。

『冬の光』

篠田節子 文春文庫 四国遍路を終えて帰路の途中、冬の海に消えた父の話。 学生運動があり企業戦士として働いた男性は私の人生とも重なる。 専業主婦の妻に守られた家庭人として幸せな人生のはずが、他に愛した人がいたのか、娘の碧が四国での父の足取りを辿…

『海が見える家』

はらだみずき、小学館文庫 大学を卒業して就職したがすぐに辞めてしまった。そこに、父親が亡くなったという知らせ。 房総半島、館山に住む父の家を片付けながら、父と付き合いのあった人たちとの出会い。私の妻が館山の出身。思いが重なるところもあって読…

『沈底魚』

曽根圭介、講談社 江戸川乱歩賞ということで読んでみた。警察小説というのか、あまり納得できる小説ではなかった。

『冬の光』

篠田節子、文春文庫 篠田節子を読むのは初めて。しかし、よかった。 考えてみると主人公は同じ年代。学生運動で知り合った女性との交流。しかしそれは家族をもった主人公にとって問題があった。妻や子どもたちに知れて付き合わないと約束する。 学生運動から…

『日本人はなぜ「さようなら」と別れるのか』

竹内整一著、ちくま新書 「さようなら」という言葉が不思議だということは、以前、須賀敦子の『遠い朝の本たち』で知った。さようならはそうであるならば、ほどの意味である。「そうであるならばしかたがない」と言って別れる。海外で、こうした別れ方をする…

『百鬼園百物語』

平凡社。サブタイトルに「百閒怪異小品集」とある。 先のアンソロジーに気をよくして読み始めてみたが、それほど怪異が収録されている感じはなかった。完全に企画倒れ。