篠田節子、文春文庫
篠田節子を読むのは初めて。しかし、よかった。
考えてみると主人公は同じ年代。学生運動で知り合った女性との交流。しかしそれは家族をもった主人公にとって問題があった。妻や子どもたちに知れて付き合わないと約束する。
学生運動から器用に企業人となる。だが女性は変わらない。私も大学は除籍で、企業人となった。
東日本大震災があり駆け付ける。その後、四国で遍路を行い、帰りに海で亡くなる。
テーマは孤独だろうか。主人公だけでなく、登場人物の誰もが孤独を生きる。
私も3・11後、子ども救援で被災地に出かけた。四国巡礼には行かなかったが、シチュエーションが似ている分、感慨も大きい。