木ノ内博道の雑読ノート

読んだ本の備忘録です。

2023-05-01から1ヶ月間の記事一覧

『かっかどるどるどぅ』

若竹千佐子 河出書房新社 『おらおらでひとりでいくも』が面白かったので読んでみた。 「孤立して寄る辺なく生きるすべての人を強く励ます感動作」と帯にある。その通りで、むしろそれだけ、ともいえる。もっとひねりがほしい、というような欲が出る。現実に…

『水を縫う』

寺地はるな 集英社文庫 最後まで読まないとタイトルの意味が分からない。 テーマは家族、だろうか。 しかも、どうやらジェンダー問題も絡んでいそうだ。 しかしそれほどどぎつくなく、こまごまとしたことがよく書けている。 好みから言うと気にいった小説と…

『プリズンホテル4春』

浅田次郎 集英社文庫 プリズンホテル全4巻の最終巻。 主人公が文学賞を受賞するとか、そのなかでドタバタ。50年以上も刑務所に入っていた親分をめぐっての話も面白い。 相変わらず意外性のある登場人物がうまく絡んで楽しませてくれる。

『流浪の月』

凪良ゆう 東京創元社 8歳の女の子が見知らぬ大学生の男子宅で2か月暮らす。男性は小児性愛者である。それだけで、ネット上では一生烙印が押されてしまう。しかし小児性愛的な言動はなかった。しかししっかりと烙印は押されて、社会人となってからも周りの視…

『プリズンホテル3冬』

浅田次郎 集英社文庫 多少滑稽な筋立てだが、登場人物など笑えてそれなりにリアル感もある。 この巻は死がテーマだろう。登場人物がそれぞれ死に直面する。