昭和57年の発行である。老人問題の先駆といえる。
祖母が自宅で亡くなっていて、その頃から祖父の様子がおかしい。
胃腸の弱かったはずがよく食べる。徘徊をする。徐々に体が弱っていくが、怒りんぼだった祖父が笑うようになる。人間が死に向かっていく様をよく描いている。
ヨハンナ・スピリ 講談社
少年少女世界文学館の16に入っている。他の本だと『アルプスの少女ハイジ』などの題名で出ているものもある。
1800年代末の作品ながら古さを感じさせない。キリスト教が色濃く影を落としていて、それが貧富の差につながったり、人生観につながったりしているが、そういう倫理観は仏教にもあるだろう。そういう信仰を背景にして、アルプスという自然のなかで生き生きと生きる少女が美しい。
有吉佐和子 文春文庫
演劇界の裏話などが書かれており、事件が起きる。面白かった。