木ノ内博道の雑読ノート

読んだ本の備忘録です。

『革命前夜』

須賀しのぶ 文春文庫 ★★★★★

数ページ読んで、読んだことがあると思いだしたが、せっかく読み始めた本だしと思い、読むことにした。

日本から東ドイツに着く時間に、昭和が終わったと知らされる。

というと、1989年くらい。まもなく東ドイツもなくなる頃。小説では、ゴルパチョフがちらっと出てきたり中国の天安門事件も起きたりしている。

80年代の終わりというのはすごい時代だったんだ、と思い知らされる。

東ドイツが揺れている時に、そこで音楽に触れる。というか、ピアノで主人公は留学をしたわけだが、音楽と政治的状況などが混然となった小説。

その時代に身を置いた私としては、なかなか興味深かった。

そういえば、79年の暮れ、80年代をどう展開するか、社長の挨拶文を書いていたのを思い出す。

『横浜ネイバーズ』

岩井圭也 ハルキ文庫 ★★★☆☆

横浜中華街の名店は間もなく閉店を迎える。いずれはオーナーの座を継ぐつもりでいたロンこと小柳龍一は毎日ぶらぶらしていて働く意欲も夢もない彼のもとに、次々と厄介ごとが持ち込まれる。山下町の名探偵と呼ばれて、問題を解決していくストーリー。

面白いが、面白いだけ、と言う感じがした。

『付き添うひと 子ども担当弁護士・朧太一』

岩井圭也 ポプラ文庫 ★★★★☆

一作ごとにテーマが違うが、私も里親をやっていたことから、この本にも共感が持てる。読み終わって解説を読んだら昔お世話になった山下さんという弁護士が書いていた。

子どもに寄り添う、付添い人というのだそうで、歴史的にもまだ新しい制度だという。

『永遠についての証明』

岩井圭也 角川文庫 ★★★★★

子どもの頃から数学にとりつかれた主人公の青年期までのお話。

これは処女作のようだ。

前作が面白かったので読み始めた。

テーマは異なるが、いずれも味わい深い。

さらに他の作品も読んでみたい。

『水よ踊れ』

岩井圭也 新潮文庫 ★★★★★

香港を舞台にした小説。

ベトナム、中国、日本などさまざまな国の人がうごめく。

香港が中国になろうという時。

個人的には70年安保前夜を学生で過ごしたから、大きく政治が変わろうとしているなかでの舞台は好みと言う感じだ。

うごめく人々の生きざまが展開する。

初めての出会いの書き手だが、共感できる、とてもいい本にであった。

同著者の本をさらに読んでみたい。