木ノ内博道の雑読ノート

読んだ本の備忘録です。

『横浜ネイバーズ』

岩井圭也 ハルキ文庫 ★★★☆☆

横浜中華街の名店は間もなく閉店を迎える。いずれはオーナーの座を継ぐつもりでいたロンこと小柳龍一は毎日ぶらぶらしていて働く意欲も夢もない彼のもとに、次々と厄介ごとが持ち込まれる。山下町の名探偵と呼ばれて、問題を解決していくストーリー。

面白いが、面白いだけ、と言う感じがした。

『付き添うひと 子ども担当弁護士・朧太一』

岩井圭也 ポプラ文庫 ★★★★☆

一作ごとにテーマが違うが、私も里親をやっていたことから、この本にも共感が持てる。読み終わって解説を読んだら昔お世話になった山下さんという弁護士が書いていた。

子どもに寄り添う、付添い人というのだそうで、歴史的にもまだ新しい制度だという。

『永遠についての証明』

岩井圭也 角川文庫 ★★★★★

子どもの頃から数学にとりつかれた主人公の青年期までのお話。

これは処女作のようだ。

前作が面白かったので読み始めた。

テーマは異なるが、いずれも味わい深い。

さらに他の作品も読んでみたい。

『水よ踊れ』

岩井圭也 新潮文庫 ★★★★★

香港を舞台にした小説。

ベトナム、中国、日本などさまざまな国の人がうごめく。

香港が中国になろうという時。

個人的には70年安保前夜を学生で過ごしたから、大きく政治が変わろうとしているなかでの舞台は好みと言う感じだ。

うごめく人々の生きざまが展開する。

初めての出会いの書き手だが、共感できる、とてもいい本にであった。

同著者の本をさらに読んでみたい。

『猫の木のある庭』

大濱普美子 河出文庫 ★★★★☆

先の本の感想で、リアリズムではないと書いて気になっている。文章はうまいし、しっかり書きたいことを書いている。

ただ、現実から乖離する、その部分の描き方がうまいのだ。

ただ作品が少ない。本書は唯一の文庫。

もっと読みたいと思う。