木ノ内博道の雑読ノート

読んだ本の備忘録です。

『真夜中の子供』

辻仁成 河出書房新社

福岡、中洲で生まれ育った無戸籍少年の物語だ。

巨大な歓楽街で、大人たちはいるが、子どもはいないといっていい。

そうしたところで暮らし、さまざまな体験をしていく。

児相も出てくるが、そんなには出てこない。

ある警察官が助けようとするが、十分な力になってあげることはできない。

逞しく、しかし中洲の大人たちに助けられて成長する。

物語、小説ではあるがそのストーリーに引き込まれていく。

悲惨な終わり方だったら嫌だな、と思っていたが、それなりに素晴らしい終わり方だった。