木ノ内博道の雑読ノート

読んだ本の備忘録です。

『雲』

エリック・マコーマック 東京創元社

男性の生い立ちが語られる。

出張先のメキシコで、突然の雨を逃れて入った古書店。そこで見つけた1冊は、黒曜石雲という謎の雲にまつわる話。青春を過ごしたスコットランドでの話。

幻想小説、ミステリ、ゴシック小説的であるが、人生が語られているところがいい。

長い間忘れられずにいた女性との恋愛、時間がたってみると恋愛というのは自己撞着、自己愛のことなのかも知れないと思い返すあたりがいい。