2024-01-17 『君は永遠にそいつらより若い』 津村記久子 ちくま文庫 大学卒業をまじかに控え、就職も決まって、手持無沙汰の日々。ぐだぐだとした日常が描かれる。ところが、何もないように見える日常の裏に暴力や哀しみが顔を見せる。 描き方がうまいなあと思わずにはいられない。
2024-01-11 『水車小屋のネネ』 津村記久子 毎日新聞出版 家を出ようと思うんだけど一緒に来る?という問いかけから始まる、18歳の女性と8歳の女の子。母子家庭だったが、男性が来るようになり虐待が始まる。お母さんはそれを止めようとしない。 そこから始まる物語。しかし、暗い話にはなっていかない。それが筆者の力量なのだろうと感じざるを得ない。
2024-01-02 『絡繰り心中』 永井紗耶子 小学館文庫 『木挽町のあだ討ち』がよかったので本書を読んだ。 これもストーリーが読者になかなか想像できず、意外性を呼ぶ。 世を儚んだ女郎の持ち掛け心中だが、そこに人間関係が絡んでくる。 なぜ一人だけで女は殺されることになるのか。