木ノ内博道の雑読ノート

読んだ本の備忘録です。

『ある一生』

ローベルト・ゼーターラー 浅井晶子訳 新潮社

20世紀の始まりから終わりまでのある男の一代記。誰に知られることもない人生だが、厳しい時代を生き抜く物語が読む者の胸を打つ。

男は未婚の母親から生まれた私生児。母を亡くしたため親戚の農家に引き取られる。養父からの虐待と厳しい労働。家を出てからも農家の手伝いなどの人生。