木ノ内博道の雑読ノート

読んだ本の備忘録です。

『肉弾』

河﨑秋子 KADOKAWA

先に読んだ『鯨の岬』のよさに惹かれて、同じ作家の『肉弾』を読んだ。

ひとつの傾向というのではなく、全く違ったと言っていいだろう。獣の領域に踏み込んでいく父と息子の物語。獣との闘いなど、描写力もありすごいと思うが、場面に迫力があり、本当らしく感じない感じ。

文章に力のある作家だけに、『鯨の岬』のような感じで読ませてほしいものだ。