2022-08-03 『ひと』 小野寺史宣 祥伝社文庫 「両親を亡くして大学をやめた20歳の秋。見えなくなった未来に光が射したのは、コロッケを一個譲った時だったと帯に書いてある。金持でいい大学で学ぶ人の言動も紹介されていて、生きていくうえでの大事な心情も書かれているが、河﨑秋子を読んできた身としては文章がこなれ過ぎているというべきか。 20代の生き方の模索として、成長物語、として読むのもいいのかも知れない。 それにしても令和3年4月に文庫として発売され、令和4年4月で16刷りという。