木ノ内博道の雑読ノート

読んだ本の備忘録です。

『始まりの木』

夏川草介 小学館文庫

民俗学のフィールドワークを通しての指導教官と学ぶ女性との交流。日本人の失ったものを学ぶ。

私の個人的な感想でいえば、第五話に影響を受けた。これまで死後は骨を海に流してほしいと思ってきたが、なにも宗教を捨てなくてもいいんだな、と思ったこと。骨になってからの補陀落渡海なんてしゃれてみてもいいかと感じた。巨木との出会いがこの小説のテーマを深めている。

彼の人気作『神様のカルテ』を読んでみたくなった。