2024-02-22 『しろがねの葉』 千早茜 新潮社 従来と小説のトーンが異なりびっくり。戦国末期の石見銀山が舞台。少女が銀山で働きながら生活の場としていく。欲望と死の影響を受けて生き抜いていく。ずっと候補だったが、この作品で直木賞受賞。
2024-02-07 『男ともだち』 千早茜 文芸春秋 これも直木賞候補だという。 イラストレーターの女性が主人公。恋人でもない男友達やつきあう男たち、同棲から別れていく男。さまざまな人間関係が描かれる。もちろん同性の友達についても。 前に読んだ同じ作者の『あとかた』にはあまりいい読後感をもたなかったが、こちらはいい。イラストレーターとしての日常がよく書かれている。
2024-02-01 『あとかた』 千早茜 新潮社 直木賞候補作 島清恋愛文学賞受賞作というのでどんな小説かと思い読んでみた。 若い男と女の自由な交流。セックスありセックスなし。死もある。自由ではあるがそれを自由というのか。よく分からない人間の交流。若い時というのはこうだろうな、という共感はあるが、あまり心打たれなかった。
2024-01-21 『ポトスライムの舟』 津村記久子 講談社文庫 私は人の名前を記憶するのは苦手だ。この小説も始めに登場人物の名前が漢字で書かれるが、あとはローマ字。他の登場人物もローマ字で、男性か女性かも分かりづらい。あえて他の姓で語られるようなところもある。分かりにくさのなかに踏み込んでいくような小説体験である。しかし読書を中断してしまうような気持ちにはならない。 ただ、芥川賞受賞というところまで理解が届かなかった。