木ノ内博道の雑読ノート

読んだ本の備忘録です。

『かさなりあう人へ』

白石一文 祥伝社

この人の小説は初めて。しかし面白く読めた。

人の出会いの妙を感じる。一人の人と一人の人ではなく、同じような出会いを繰り返す人の不思議さ。結婚が願望であるような関係ではなく、むしろこれまでの別れを思い出しながらの、中年の出会い。現代的な話題のなかで、恋愛も現代的に描かれる。