木ノ内博道の雑読ノート

読んだ本の備忘録です。

『静かな雨』

宮下奈都 文春文庫 ★★★★★

著者のデビュー作らしい。文章がみずみずしい。

それに若い男女のことで、文体にもあっている。テーマは記憶のようで、記憶の薄れゆく現在の私のテーマにもふさわしい。交通事故に巻き揉まれて、記憶が一日しか持たない女性と足が悪く松葉杖であるく男の話。